絵付けするものより先に、学校の実施条件を確認する
京都の修学旅行で絵付け体験を選ぶときは、作品の種類だけで決めないことが大切です。最初に次の5点を確認します。
- 対象学年と安全条件
- 学年全体の総人数と、同時に制作できる人数
- 受付から再集合までを含む時間
- 当日持ち帰りか、後日配送か
- 引率者料金、送料、請求、支払い、キャンセルの条件
「修学旅行向け」と案内されていても、対象学年や引率者の扱いまで公開されているとは限りません。また、「定員100名」が100名全員の同時参加を指すのか、複数回を合わせた総受け入れ人数を指すのかも確認が必要です。
比較するときは、公式に書かれていない項目を推測せず、「要確認」として学校名、学年、人数、希望日を伝え、書面で回答をもらいましょう。
| 絵付けするもの・主な工程 | 学年 | 人数・班分け | 時間 |
|---|---|---|---|
| 陶磁器の下絵付け | 対象学年と顔料を扱う条件を確認 | 少人数の班に分ける方式と、大人数が入る会場で行う方式がある。同時人数を確認 | 絵付け時間に説明、練習、片付けが含まれるか確認 |
| 陶器・ガラスの上絵付け | 最低年齢と保護者・引率者の補助を確認 | 会場での受け入れ人数と、出張時の対応人数を分けて確認 | 描く時間と、乾燥・作品確認の時間を分ける |
| 扇子の絵付け | 対象学年と下書きの有無を確認 | 会場での実施、出張、班別での実施がある | 下絵、彩色、乾燥、片付けまでを確認 |
| 面・うちわ・小物への絵付け | 画材と対象年齢を確認 | 1班の席数、講師数、同時人数を確認 | 描く時間に乾燥と梱包を加える |
| ろうそく・漆器風の加飾 | 使用材料と最低年齢を確認 | 工房型と宿泊施設などへの出張型がある | 背景説明、制作、乾燥、片付けを含める |
| 絵付けするもの・主な工程 | 料金・学校会計 | 完成品の受け取り | 予約・安全面で確認すること |
|---|---|---|---|
| 陶磁器の下絵付け | 材料費、焼成費、送料、引率者料金を確認 | 焼成後に配送される場合がある。学校への一括配送かどうか、送料と納期を確認 | 予約期限、人数確定、顔料、衣服、バス動線 |
| 陶器・ガラスの上絵付け | 税込総額、焼成費、送料、出張費を確認 | 焼成・乾燥後の配送条件を確認 | 作品寸法、梱包、学校一括配送、段差、荷物置き場 |
| 扇子の絵付け | 仕立て代、送料、会場費、引率者料金を確認 | 完成済みの扇子に描く方式と、職人が仕立てる方式では受け取り時期が異なる | 仕立て方法、発送先、作品識別、キャンセル |
| 面・うちわ・小物への絵付け | 材料費、包装費、出張費、支払い方法を確認 | 当日持ち帰れる場合がある | 乾燥状態、袋や箱、完成品の大きさ、旅行中の保管 |
| ろうそく・漆器風の加飾 | 講師料、材料費、会場費、出張費を確認 | 当日持ち帰りまたは後日受け取り。材料や仕上げ方法によって異なる | 実際の漆を使うか、合成素材の素地に塗料で彩色するか、手袋が必要か、火や熱を扱うか |
絵付けの工程と完成方法を比べる
陶磁器は、素焼きの器に描いてから焼成する下絵付けと、焼成済みの器に色を重ねる上絵付けがあります。どちらも現地で描いた後に窯で仕上げる場合があり、制作当日に完成品を持ち帰れるとは限りません。
扇子には、完成済みの扇子に直接描く方式と、平らな扇面紙に描き、後から職人が扇骨と合わせて仕立てる方式があります。一般客向けには当日持ち帰りと案内されていても、学校団体は翌日発送となる場合があるため、団体条件を別に確認します。
面、うちわ、小物などは、焼成や職人の仕立てがなければ当日持ち帰れる場合があります。ただし、完全に乾いているか、個別の袋や箱が付くか、バス内で保管できる大きさかを確認してください。
ろうそくや漆関連の体験は、同じ「絵付け」でも使う材料が異なります。実際の漆を使うのか、合成素材の素地に塗料で彩色するのか、火や熱を生徒が扱うのかを、対象物の名称だけで判断せずに確認しましょう。
体験の歴史や技法を学習内容に含める場合は、主催者が公式に説明している内容を確認しましょう。「集中力が身につく」などの教育効果についても、根拠が示されているか確認してください。
総人数・同時参加人数・班分けを区別する
人数は、少なくとも次の3つに分けます。
- 学年全体の総人数
- 同じ開始時刻に制作できる人数
- 1室に着席できる人数
同時人数が学年全体より少ない場合は、必要回数を計算します。必要回数は、実参加生徒数 ÷ 1回の同時制作可能人数を切り上げて考えます。
複数の会場を同時に使える場合は、会場ごとの人数、講師数、開始時刻、移動経路を分けて記録します。班分けが必要なら、体験していない班の待機場所や別行程、引率者の配置も決めておきましょう。
引率教員、添乗員、看護師、介助者、通訳者については、見学は無料、参加する場合は有料、席だけを確保するなど、扱いが異なります。人数と役割を分けて見積もりを依頼します。
時間割は受付から出発までで組む
公開されている「45分」「60分」などの所要時間が、制作部分だけを指すことがあります。学校の行程表では、次の時間を含めてください。
- バスや公共交通機関から会場までの移動
- トイレ、荷物整理、点呼
- 着席、安全説明、制作背景の説明
- 下絵、練習、絵付け
- 乾燥、作品確認、氏名の記入
- 片付け、写真撮影
- 再点呼、次の行程への出発
複数回に分ける場合は、前の班の片付けと次の班の着席にかかる時間も加えます。交通が遅れたときに開始時刻をずらせるか、一定時間を過ぎると工程が短くなるかも確認が必要です。
学校会計は税込総額で比べる
生徒1人あたりの料金だけでは、学校が支払う総額は決まりません。見積書では、次の費用を分けます。
- 材料費
- 講師・補助者の費用
- 焼成・仕立ての費用
- 送料
- 出張費、会場費、施設入場料
- 引率教員、添乗員、通訳者、介助者の料金
- 大型バスの駐車料金
- 最低保証額
- 消費税
「送料込み」でも、学校への一括配送だけが対象なのか、生徒宅への個別配送も含むのかで総額が変わります。学校または旅行会社が支払う場合は、請求書払い、事前振込、当日の現金払い、旅行会社を通した精算のどれに対応するかを確認します。
個人向けの予約ページに書かれた決済条件を、学校団体の会計条件として使わないでください。
当日持ち帰りと後日配送を選ぶ
当日持ち帰りは、旅行中に作品を管理する必要があります。完全に乾いているか、個別の袋や箱が付くか、完成品の大きさと重さ、バスの荷物室に入れられるかを確認します。
後日配送なら、旅行中に作品を持ち歩かずに済みます。学校へ一括配送される場合は、生徒へ配る準備が必要です。次の項目を決めておきましょう。
- 学校への一括配送か、生徒宅への個別発送か
- 送料を誰が負担するか
- 発送予定日と到着予定日
- 学年、組、出席番号、氏名で仕分けられるか
- 作品に氏名や管理番号を付ける方法
- 破損、欠品、氏名不明の場合の連絡先
- 長期休暇や卒業前に間に合うか
学校一括配送では、作品の箱数と、到着後に誰が各クラスへ配るのかも決めます。
予約・人数変更・キャンセルを書面で確認する
問い合わせ、仮予約、予約確定は別の段階です。少なくとも次の日付と条件を記録します。
- 問い合わせと申込書の期限
- 仮予約の有効期限
- 正式な予約確定日
- 最終人数の確定日
- 無料で人数を変更できる期限
- キャンセル料が発生する日
- 交通障害、警報、学級閉鎖による中止の扱い
人数が減った場合に、実際の参加人数で精算するのか、確定人数や最低保証人数で請求されるのかも確認します。口頭での回答だけで済ませず、見積書や申込条件に記載してもらってください。
道具・服装・言語・アクセシビリティを確認する
安全面では、塗料、実際の漆、刃物、火、熱、小さな部品を使うかを確認します。対象学年、保護具、汚れてもよい服装、講師と引率者の補助範囲も確認が必要です。
「英語対応」と書かれていても、団体全体への説明や教材が英語とは限りません。講師が直接説明するのか、通訳者が必要か、通訳者も定員と料金に含まれるかを確認します。
車椅子を利用する生徒がいる場合は、入口だけでなく、体験室とトイレまでの経路、作業机の高さ、床に座るのか椅子を使うのかを確認してください。大型バスの乗降場所、荷物置き場、待機場所も学校行程に影響します。
見積もりを依頼するときに伝えること
候補を絞ったら、次の項目をまとめて学校名または旅行会社名で問い合わせます。
- 実施希望日と第2希望日
- 学校名、学年、生徒数
- 引率教員、添乗員、看護師、介助者、通訳者の人数
- 希望する絵付け対象
- 希望する同時人数と班分けの可否
- 到着予定時刻と、会場を出る必要がある時刻
- 会場での実施か、宿泊施設などへの出張か
- 大型バスの台数
- 希望する受け取り方法と納品期限
- 請求書の宛名と支払者
- 言語、アクセシビリティ、安全上の配慮
企業や一般の団体旅行では、人数・会場・支払い条件が修学旅行と異なります。学校以外のグループについては、京都の団体向け体験の選び方で受け入れ条件を確認できます。個人旅行者向けの絵付け体験や伝統工芸体験も、学校運営の条件とは分けて比較しましょう。

